前世戦士の映画日誌

前世が戦士らしい女が映画を観て色々吐き出します 生態日誌です

『ローン・サバイバー』21年4月の私と仲間たちを描いたドキュメンタリー映画のあらすじ(ネタバレになるのか不明)

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前回の記事から三週間経ってしまいました。いつも読んでくださる方の中には、また何かドラマにハマってるんじゃないかと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

違います。
ガチで仕事が忙しいです。

あ、はい、私、休職してましたよ、つい最近まで。仕事し過ぎで。はい。
まだ定期的に通院してますし、薬も飲んでます。週の半分は在宅ワーク、以前のように延々と仕事することもなくバサバサ割り切り、体調優先で仕事してます。
でも、環境はアフガニスタンです。

この三週間、特に直近二週間は、仕事中の脳内で延々この映画が再生されています。
なんかもう改めて観なくてもいいんじゃないかってぐらい、再生されてます
なので、今回の記事は映画と現実がごっちゃになった私の脳内の話なので、ちゃんと映画について知りたい方は、よそ様のブログに行かれた方がいいんじゃないかと思います。

もっとも、いつもこのブログを読んでくださる方は、そもそも映画の話なんて私に期待していない気もしていますが

米海軍特殊部隊ネイビーシールズ創設以来最大の惨事と言われた「レッド・ウィング作戦」を、マーク・ウォールバーグ主演、「キングタム 見えざる敵」のピーター・バーグ監督で映画化。2005年6月、アフガニスタンの山岳地帯で偵察活動中の4人のシールズ隊員は、あるひとつの決断によって、200人を超すタリバン兵の攻撃にさらされることになる。極限の状況を生き延び、奇跡の生還を果たした唯一の隊員マーカス・ラトレルが執筆し、全米ベストセラーとなったノンフィクション「アフガン、たった一人の生還」が原作。テイラー・キッチュエミール・ハーシュベン・フォスターエリック・バナらが共演。

2013年製作/121分/PG12/アメリ
原題:Lone Survivor
配給:東宝東和、ポニーキャニオン
(映画.comより)

さて、傷病兵になって休んでいた私は、1月半ばから本国でシールズに復帰、3月半ばにはアフガニスタンで仲間と合流、後方支援を経て4月から前線に復帰と、段階を踏んで戦場に戻っていきました。

私含め仲間は4名(上司はカウントしてやる気にならん)。
階級つけるとこんな感じ。

戦士・オブ・戦士の大尉(♂)。シールズ入って丸4年の、『GOT』貸してくれた戦友です。海軍入隊は私と同時期ですが、優秀で昇進が早く、シールズに来た時点で階級は私より上。5月にはさらに昇進転属予定。
前世が戦士の私(♀)は兵曹長ってとこですね。シールズ入って7年目の准士官。各地で戦闘経験ありの、ベテランですが、PTSDを抱えてます。
そして、中堅どころのデキる上等兵曹(♂)。戦闘経験は豊富ながら、シールズとしては2年目。過去の経験を上回る戦闘が続いて、プレッシャーがかかっています。
最後はポテンシャルはあるが若い二等兵曹(♀)。シールズ3年目ですが、軍歴通しての戦闘経験がやや少ないところが不安要素。

このメンバーで「レッド・ウイング作戦(くそデカい社内の体制変更に伴うシステム対応他関係する大小ありとあらゆる業務)」の先方として現地に出た所、突如、タリバン兵200人に一斉砲火を浴びてしまったのです。

実は私、休職前に経験値を買われて「レッド・ウィング作戦」の策定段階から関わっていました。策定作業にはお偉方(部長クラス以上)しかいなかったので、彼らの好き勝手な発想を、実行可能な計画にしていくのが私の仕事でした。
ところが私が傷病兵になって離脱したものですから、ほぼ残ったお偉方だけで作戦は作られてしまい、年明けになって現場に開示された時には、実に詰めが甘く実行不可能なザルのような作戦だったのです。
復帰後の私は後方支援として何とか作戦にテコ入れはしたものの、4月にタリバンに囲まれることは予想してはいました。

が、予想をはるかに超える200名のタリバン兵。
右から左から上から下からAKライフル(各所からの問い合わせ)とRPG(システム不具合)で襲われてるのに、こちとら4名で軽火器しかなく通信も途絶えてしまいます(お偉方は既に別の仕事に夢中)
持てる知識と経験値とベテランの勘を総動員し、脊髄反射的にタリバンと戦う私は「鬼のよう」(本当に言われた)だったそうです。

しかし、まずいきなり大尉が爆破で重傷を負います(異動は5月なのに、諸般の事情で4月から引き継ぎも無いまま異動先部署の仕事も兼任)。
次に二等兵曹がタリバン兵に囲まれてしまい(全国の事務方担当者から問い合わせが殺到)、その場に置いていかざるを得なくなりました。
そしてギリギリ持ちこたえていた上級兵曹も腹に被弾腸炎発症。どう考えても過労とストレスのせい)、身動きできず。

支援のヘリ(システム部門)もタリバンに撃ち落されて全滅(徹夜続きで限界。電話に出てくれない)
そうこうするうち、決死の覚悟で通信を確保(私らへの業務引継ぎ)した大尉も、致命傷のため力尽きる(引っ越し)時がやってきました
ということで、現在動けるのは兵曹長の私だけ(PTSD持ち)なのです。

そんな中でもなんとか生き延びているのは、村のみなさん(営業部門)が、可能な限りタリバン相手に耐えてくれているおかげです。
これは、休職前ならあり得なかった。
営業って、いままでなら真っ先に文句言ってきて、何ならこちら(事務方)に向かって手りゅう弾投げ込むような人たちなんですが。
極限になると、営業という人たちは「パシュトューンの掟」*1のごとく昔気質の面が出てくるのか。
何にせよ、本当にありがたいことです。

とはいえ現在も「レッド・ウィング作戦」はまだ収束しておらず、私は基地(通常業務)に帰還できるみこみもないまま、村でタリバンと戦い続けている状況です。
果たして救出のヘリはやってくるのか……。

という感じの映画です、『ローン・サバイバー』は。
多分。

(自分ではもう違いがわからない)

……その後(まだ作戦終わってないけど)の仲間たちですが。
大尉は、二階級特進で中佐に昇進し別チームへ転属。名誉勲章ももらいました。
戦友として私も誇らしいのですが、当の本人は死んでるも同然なので(仕事中の反応がおかしい)、寂しいながらも早くアフガンを忘れて体調戻してくれと思ってます。
下士官二人は初めての極限状態を経験して一皮向けた感じもあり(こんな状況で成長させるつもりではなかったんだが)、そして新人の配属も決まりました。

そして私。
PTSD持ちの上に准士官の給料しかもらってないのに、大尉が抜けたからとなし崩しに尉官クラスの仕事をさせようとするお偉方に慇懃無礼な暴言吐きつつ(礼節より自分のメンタルヘルスが優先)、まだしばらくは、仲間とともにアフガニスタンで終わりの見えない戦いを続けます。

ちなみに、本物のアメリカ軍は21年9月にアフガニスタンから撤退予定です。

 

※2021/04/17 20:00 リンク貼るの忘れていました…

*1:「敵から追われている者を、自らの命を懸けて助けよ」という2,000年以上続く掟。