前世戦士の映画日誌

前世が戦士らしい女が映画を観て色々吐き出します 生態日誌です

『エイリアン2』リプリーに自分を重ねてヒックスに感謝する話(ネタバレあり)

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最近ですね、「ブログ楽しいのに、なんか疲れるなー」と思って、ちょっと人様に相談したところ、「仕事で戦い疲れて休職したのに、今度はブログで戦ってる状態」ということを言われました。
四か月休んどいて、どんだけ休み下手だよ。
でも楽しいのにーと思ったんですが、よくよく考えたら、今はアフガニスタンから戻った元海兵隊で、今はNY市警のSWAT隊員」みたいな状態かもしれないなと納得。
こんな表現で、いったい誰がわかってくれるのか不明ですが。

これはやはり、闘争心をお焚き上げせねば!と、初心に戻って『エイリアン2』。リプリーとエイリアンのガチンコ対決を楽しむつもりだったんですが、開始10分で思い出した。

リプリーがエイリアンのいる星に戻る理由、「倉庫係から航海士に戻してやる」だった!

そんな理由で、PTSD状態なのに、エイリアンがいるところに戻るリプリー
これ、私が復職したら「絶対やっちゃだめ」と思ってるパターン、評価欲しさに無理をする、だ!
いまこれを見せられるのかー、と思いました。

エイリアンと戦った宇宙船ノストロモ号6人のうちの唯1人の生存者リプリーとエイリアンの再戦を描くSFアクション。製作はゲイル・アン・ハード、エグゼクティヴ.プロデューサーはゴードン・キャロル、デイヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル。監督・脚本は「ターミネーター」のジェームズ・キャメロン。キャラクター創作はダン・オバノンとロナルド・シュセット、撮影はエイドリアン・ビドル、音楽はジェームズ・ホーナー、特殊効果はジョン・リチャードソン、ブライアン・ジョンソンが担当。出演はシガニー・ウィーヴァー、マイケル・ビーンほか。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は岡枝慎二。デラックスカラービスタサイズ、1986年作品。後に未公開シーンを加えた155分の[完全版]が発表された。

1986年製作/136分/アメリ
原題:Aliens
配給:20世紀フォックス
(映画.comより)

 

実は週明けから、復職することになりました。
これでも私、まだそれなりにPTSD状態なんですけどね。映画やドラマも、血まみれは平気だけど、オフィス物やビジネス物が怖い。

うちは結構大きな会社なので、時代に合わせて制度は整備されてますが、働く人間の意識は時代に追いついてません。
や女性の場合は、何やっても「女性だから」がついて回るんで、時間も量も山ほどこなして有能さをアピールしないと、あっという間にできない社員の烙印を押されます。

そんな会社で、成績上位で管理職資格取りましたからね、私。
これ、ほんとに心身削って働いた結果なんですが、やっとここまで来たぞと思ったら、さらに仕事は増えるばかり。役職はくれんし、給料は横ばい。
そこにエイリアンのような幹部が異動してきてトドメが入り、休職。

『エイリアン』でのリプリー、他人事じゃないんですよ。
航海士にまで昇進したのに、仕事先でエイリアンに遭遇し、死闘を繰り広げて、孤独に冷凍睡眠。
しかも私の場合、エイリアン殺してないし。

なので、意外にも今回、大好きなリプリーを観てるのがちょっとつらかったんですが、そんな私を救ってくれたのが、マイケル・ビーン演じる海兵隊員ヒックスなんですね。

死ぬほど働いてきた私ですが、そのために長いこと、男が女を守るというお決まりの構図に、ちょっと反感を持っていました。今でも、「か弱いヒロインを守るヒーロー」にうっとり、なんて全くこれぽっちもなりません。
でも最近は、守られること自体は、これはこれでいいな、と思うようにになりました。

『エイリアン2』のリプリーは、エイリアンに恐怖しながらも、危機に陥った海兵隊たちを助けるため、装甲車で突入したりするほど逞しい。
助けられたヒックスは、彼女が恐怖を乗り越えて戦う強さをリスペクトします。その直後、彼女の戦闘プランをあっさり採用するところでわかります。
動揺してリプリーの忠告も聞かず、わめいてただけの中尉と、なんと違うことか。

リプリーは強いと、ヒックスは分かってる。だから共闘していくんですが、そんな中でも、ヒックスは彼女の盾になるように戦うんですね。
もちろん、リプリーは民間人だし、ヒックスは兵士だからということもありますが、それでも彼は本能的に彼女を助け続けるんですよ。
しかも、俺が守ってやらなきゃダメだ!ってわけでも、守ってやるぜ!とマウント取ってるわけでもなく。対等なんだけど、守る。

それを見てると、つくづく、男性が女性を守る理由ってのは、別に女性が弱いからじゃないんだなーと、思います。
繁殖のための生存本能(雌がいないと種は残せない)ってことで片付けてもいいんですが、なんかもう、あれって雄としての抗いがたい衝動なんじゃないかなと。

でも恐怖というのも、かなり根源的な本能で、守る衝動より恐怖が先にたつ奴は映画で必ずいます。まあ、そっちが普通なのかもしれません。
だから、リプリーのように「一人でも大丈夫なんじゃね?」って相手を、恐怖を克服してでもエイリアンから守るってのは、相当にタフなハートを持ってなきゃできないことなんですね。 

それができるヒックスが、最後まで生き残るのは当然。
エイリアンの酸にやられてリプリーに支えられてたけど、その傷ついた姿がヒックスの強さの証のようで、カッコよく見えた。
ヒックスが守ってくれたおかげで、リプリーは最後まで戦えたんだし。
そこにどっちが強いの弱いのって、そんな下らんマウント合戦は不要なのだな。

私の復職にあたって、会社はフルタイムで仕事させる気だったんです。
でも、「そんなことをすれば彼女は二度と銃が持てなくなる!」と言って(ちょっと表現が違うかもしれない)同僚がゆるゆるの復職計画を作り、その勢いに負けたらしい課長が、幹部にごり押しして承認させたそうで。
同僚はマネジメント経験があるし、幹部連中より頭が柔らかい。それに、女性だから弱いと言うどころか、私が戦闘系会社員だと承知してるんですが、どうやらかなり強くかばってくれたらしいのですね。

その話を聞いて、マジで同僚がヒックスに重なりました。
彼(とついでに課長)にはもちろん、感謝の気持ちを伝えましたよ。
本当は「ヒックスみたい!」と言いたいんだけど、通じないのよね……。

ブログに没頭しちゃうエネルギーは仕事に向けて、ブログはもっと肩の力を抜いて楽しむとバランスが取れてくる、と、冒頭と同じ方にアドバイスもいただきましたし、探り探り復職していきます。
『エイリアン3』*1のようにだけはなりたくない。

ブログも、あまり文字数とか気にせず、もっとダラダラと書いていこうかなと(今回すでに長い)。
なので、映画をネタにしたグダグダ話がさらに増えると思いますが、そういう生き物の生態日誌として観ていただけると嬉しいでーす。

※休職直前のヤバい精神状態について触れたのがこちら

*1:『エイリアン2』のすべてが雲散霧消する話