12月に入ってから、朝食にオムレツを作って食べることが増えました。今までは目玉焼きだったんです。洗い物が少なくて済むから。
まあでも、ボウルの一つぐらい洗う時間(と気力)はあるわけで、なんとなく作るようになりました。
一度として、表面を割らずに皿に乗せられた試しがありませんが。
何度もオムレツを作っていたら、猛烈に見たくなったのがサメ映画の傑作『ディープ・ブルー』。
オムレツといえば『ディープ・ブルー』一択ですよ。
Netflixで観ようかなと思っていたところ、昼にテレビつけたら放送してた。
求めよ、さらば与えられん。
海上のハイテク研究所を舞台に、高度な知能を持ったサメとその研究所に閉じ込められた人々の死闘を描いたアクション・サスペンス。監督は「ロング・キス・グッドナイト」のレニー・ハーリン。脚本は『ZERO Gravity』のダンカン・ケネディ、ドナ・パワーズとウェイン・パワーズ。(途中略)出演は「シン・レッド・ライン」のトーマス・ジェーン、「恋はワンダフル!?」のサフロン・バローズ、人気ラッパーである「トイズ」のLLクールJ、「交渉人」のサミュエル・L・ジャクソン、「コップランド」のマイケル・ラパポート、「エンジェル・ベイビー」のジャクリーン・マッケンジー、「RONIN」のステラン・スカルスゲールドほか。
1999年製作/105分/アメリカ
原題:Deep Blue Sea
配給:ワーナー・ブラザース映画(映画.comより)
どうしてオムレツとサメ映画がセットなのかと言うとですね。わき役で登場する、LL・クール・J演じるコックが、とにかく面白いキャラで。
その彼が、終盤で自分の遺言ビデオ(スマホなんかない時代なんで)を撮るんですが、そこで「オムレツを作るときは卵は2個。素人は牛乳をいれるけど、あれは間違いだ」と言うんです。
……って、ただそれだけなんですが、このシーンが面白くて。
で、オムレツ作りだしてから、セリフの後半「牛乳を入れるのは間違い」ってところは覚えてたんで実行してるんです。
でも、卵が何個なのかが思い出せなくて。
2個だったか、3個だったか……。
映画観てすっきり。2個でした。
それにしても、サメ映画なのにサメが印象に残らなという、謎の名作です。
姿をほとんど見せないのにサメが怖すぎる『JAWS』と比べるのは可哀そうですが、アサイラム謹製の『シャーク・ネード』シリーズ*1よりも印象が薄いというのは、いかがなものか。あれに出てくるサメは、怖いんじゃなくて面白いんだけど。
かなりお金をかけて、CGやロボットでサメを作ったらしいです。でも、登場人物がサメにやられちゃうタイミングが絶妙すぎる余り、怖さより驚きの方が大きくて、サメ自体はどうでもよくなる。
しかも、サメ相手に一番戦っているのは、一番タフガイのはずの主人公カーターではなく、オムレツの作り方を話したコックなんですよ。
カーター、サメとしっかり対戦するのは、最後だけ(しがみついてるだけとも言う)。他は、扉を開けたり、扉を閉めたり、水に潜って扉を閉めたり、エアロック開けるために水を入れたり……。
あら? 開けたり閉めたりしてる印象しかないわ。
わかりますでしょ、コックが人気なのも。
サメと戦う映画なんだから、ちゃんと戦ってる人が好かれるんです!
こんな映画なのに面白いのは、監督が、フィンランドが生んだ変人レニー・ハーリンだから。
この人、ものすごく面白いもの*2と、ものすごく面白くないもの*3を両方作れるんですよ。正確には、面白くない映画の方が多いんですけど。
『ディープ・ブルー』の場合は、そのレニー・ハーリンの面白いところと面白くないところを足したら、計算間違えて滅茶苦茶面白くなったという。あんまり売れなかったようですが、ハーリン映画の中では大好きです。
多分、能力って意味では、他のブロックバスター監督たちと比べて、彼は映画づくりが上手くないんですよ。
でも、作品みてると、彼がやりたいことだけはちゃんと伝わるんですね。だから、コケてもコケても映画を撮り続けていられるんだと思います。
ただ、それを実現するのに呆れるほど大金が必要なことと、同じくらい赤字を出すってだけで(やっぱり迷惑かも)。
ちょっと調べたら、ここ数年は中国で映画を撮ってるようです。
映画を撮りたい一心で故郷フィンランドを出てアメリカに渡り、今は中国。
ブレずにやりたいことがあるのなら、生きてく道はあるんだなあ。
明日は31日。
大晦日の朝食は、卵2個のオムレツで決まりです。